皇太子に溺愛された商人
「どうかな。今のところ、何も感じないけれど。」

何だか、寂しくなった。

結婚するなら、運命の人が相手だと思った。

「そっちは?俺に運命感じる?」

私はジーっと俊炎を見た。

「何も感じない。」

「ははは!素直だな。」

よく見ると、ボサボサの髪。

眼鏡も大きくて、目が悪そう。

でも、背は高い。

「俊炎さんは、何をやっている人なの?」

「俺?画家だよ。」

何となく分かる。

家の中に籠っている感じがする。

「結婚しても、画家を続けるの?」

「そのつもりだけど?」

確かにね。これでは今まで結婚できなかった訳も分かる。

本当に私、この人と結婚するのかな。

「じゃあな。また明日も来る。」
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