社長とは恋愛しません!

第1章 仕事とプライベートは分けたいだけ

依田 景子。

この度無事、新しい仕事を見つけました。

その仕事は、真田コーポレーションという、そこそこ大きな会社の、社長秘書。

秘書の仕事は、何年もやっているから、慣れたもの。

今日は、その初出勤日です。


「おはようございます。」

社長室に入って、まずは挨拶をした。

もう社長は来ていて、椅子に座っている。

「今日から秘書をさせて頂きます、依田景子です。宜しくお願い致します。」

一礼をすると、椅子にはどう考えても、まだ若い男性が座っていた。

「あの……社長は?」

「あっ、社長は俺。」

「えっ!?」

驚いてよく見ると、柔らかそうな茶髪、中性的な顔に、セクシーな唇。

まだ20代半ばくらいなのに、着ているスーツは高そうだ。


「と言っても、昨日社長になったばかりなんだ。こちらこそ、宜しくね。」

「は、はい。」

昨日社長になったばかりの、新人社長。

しかも、ろくに社会人経験もなさそうな。
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