社長とは恋愛しません!
柚季君の車に乗ると、彼はエンジンをかけて、車を走らせた。

車は滑らかに、走って行く。

誰かが言っていた。

値段が高い車は、滑るように走るのだと。

おそらく、柚季君の車も高級車なのだろう。


車は、住宅街を抜けて、私の住んでいる街にやってきた。

「あっ、クレープ屋さんがある。美味しそう。」

柚季君はそう言って、クレープ屋さんの近くに、車を停めた。

「食べに行こう。」

「ええっ?さっき、朝ご飯食べたばかりだよ。」

「いいからいいから。」

柚季君にせかされるように、車を降りて、クレープ屋さんに向かった。

「チョコバナナ下さい。景子さんは?」

「えーっと、ハニーレモン。」

店員さんは、素早く作ってくれて、私達にクレープを渡してくれた。


「うん、美味しい。」

クレープ屋さんの前にある椅子に座って、私達は買ったばかりのクレープを食べた。

「よく食べるね。」

「甘い物は別腹だって言うだろ。」

「それ、女子が言う言葉だよ。」
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