社長とは恋愛しません!
二人で笑いながら、クレープを食べていた時だ。

誰かが、私達に近づいて来た。


「景子?景子じゃないか。」

私は顔を上げた。

眩しい光の中に見えたその顔は、見覚えのあるモノだった。

「英寿さん?」

「ああ、そうだよ。久しぶりだな。」

私は、茫然としながら、クシャッと曲がるクレープを支えた。

「……久しぶり。」

「元気そうだな。相変わらず綺麗だし。」

「そんな。」


英寿さん。

神崎英寿さんは、私の元カレで、元上司。

付き合っていた頃は、派手にお金を使って、これが社長との恋愛なんだ~って浮かれていた。

会社が傾いて倒産すると、私は捨てられた。

たぶん、お金のかかる女だと思われていたんだろう。

これからまた一から始めるって時に、いらない女だと思われたんだ。


「今は、何の仕事しているの?」

気になって、聞いてみた。
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