社長とは恋愛しません!
「前と一緒だよ。結局俺には、それしかできないから。」

「そう。頑張っているのなら、それでよかった。」


少し気がかりだった。

今はどうしているのか。

でも、仕事も上手くいっているみたい。

見た目は、付き合っていた頃と同じように、ブランド品の洋服を着ていたから。


「ところで、お隣は?」

「えっ?」

私が隣を見ると、柚季君は自分の分のクレープを食べ終わって、シレッと座っていた。

「聞くのは、野暮かな。彼氏?」

私は返事ができなくて、うつむいた。

「ううん。今の上司。」

「へえ。また上司と付き合っているのか。」

英寿さんは、少し笑っている。

嫌な感じがした。


「聞かなくても分かる。真田コーポレーションの社長だろ、あんた。」

「そうだけど?あんたは?」

ケロっとして聞いてるけど、随分年上の人だよ?
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