社長とは恋愛しません!
「何?」

「そんなに、社長がいいかって、聞いてるんだよ。」

英寿さんは、冷たい目をしていた。

私は、英寿さんと顔を合わせた。

「彼と一緒にいるのは、別に社長だからじゃないわ。優しい人だからよ。」

「優しいね。そりゃあ、真田コーポレーションの社長とくれば、金は使い放題だろうからね。」

胸にチクッと何かが刺さった。

「何を言いたいの?」

「別に。好きなモノは好きなんだから、いいんじゃねえの?」

私は、カバンをぎゅっと握った。

「英寿、変わったわね。」

「そりゃあ、変わるさ。お前みたいな女と付き合ったらね。」

「どう言う事よ!」

思わず大きな声を出してしまった。

「人を金づる扱いする女と一緒にいて、相手の会社を潰してしまう女ね。」

私は、頭を何かで殴られた気がした。

「……そんなふうに、私の事思っていたの?」

「思いたくもなるさ。あの頃のおまえは、全て俺の金で生きていたもんな。」

涙が溢れてきた。
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