社長とは恋愛しません!
そんなふうに、そんなふうに思っていたなんて。

金づる?

私は贅沢なんて、したつもりはない。

英寿さんに、お金をせびったつもりもない。

そりゃあ、デート代は全部、英寿さんが払っていたけれど、それは英寿さんが払うって言っていたもの。

私が払ってと言った事は、一度もない。


「謝って。」

「は?」

「私を侮辱した事、謝って。」

すると英寿さんは、大きなため息をついた。

「何様のつもりだ。」

「何様でもないわ。でも、一人の人間として、侮辱されたのは我慢できない。」

「侮辱?本当の事、言っただけだろ。」

どんどん、英寿さんが迫ってくる。

怖い。こんなに怖い人だったの?


「そこまで。」

いつの間にか、柚季君が間に入っていた。

「とりあえず、謝って頂けますか。俺の彼女を侮辱した事。」

「なに?」

柚季君は、私の目の前に立った。
< 107 / 295 >

この作品をシェア

pagetop