社長とは恋愛しません!
すると柚季君は、一目をはばからず、私にキスをしてきた。

「彼女になって欲しい。俺の恋人だって、皆に言いたい。ずっと一緒にいたい。」

私は至近距離で、微笑んだ。

「だったら、言って。」

「……景子さん。俺と付き合って。」

「うん。」

お互い、至近距離で見つめ合って、幸せを感じた。

好きな人に、好きって言われるって、奇跡のような事だよね。


「あーあ。俺、もう景子さんの事、手放せなくなる。」

「ははは。」

これから、同じところに帰るって言うのに、柚季君は堪らない表情をした。

ねえ、柚季君。

私、世界で一番、幸せな女だと思うよ。

「今夜は、何食べる?」

「なに、景子さんが作ってくれるの?」

「うん。」

「やったね。初めての手料理だ。」

私は、この時。

柚季君が社長だという事を、すっかり忘れていた。

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