社長とは恋愛しません!

第6章 未来の話

その週末、2回目のパーティーが催された。

私は、ちゃっかり花音ちゃんに買ってもらったワンピースを着て、柚季君と一緒に出た。


そのパーティーは、ある大物社長の主催だそうで、呼ばれたお客様も多かった。

「ああ、これは真田社長。」

「お久しぶりですね、田中社長。」

柚季君は、パーティーも2回目になると、だいぶ落ち着いている。

物腰も、大人っぽくなったし、まるで20代半ばには感じない。

その対応能力も、彼の凄さだろう。


「そう言えば、お隣の綺麗な方は、どなたかな。」

田中社長が、私を見る。

「僕の、秘書です。」

「秘書の方?初めまして、アートレーズの社長をしております、田中と申します。」

「アートレーズ!?」

アートレーズと言えば、美術関係でも大きな会社だ。

「まあ。お会いできて、光栄です。」

「こちらこそ。」

私とは田中社長と、握手をした。


すると田中社長は、私を引き寄せて、耳元でコソッと呟いた。

「後で、ラウンジに来るといいよ。」

「えっ?」

田中社長は、そのまま行ってしまった。
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