社長とは恋愛しません!
私がキョトンとしていると、柚季君はイライラしている。

「あの、スケベ親父め。景子さん、行く必要はないからね。」

「はい。」

何だ、誘われただけかと思ったら、途端におかしくなった。


その時だった。

「真田社長。お久しぶりですね。」

聞き覚えのある声が、耳に飛び込んで来た。

振り返ると、やはり神崎英寿だった。

「お久しぶりですね。神崎社長も、お呼ばれされてたんですか。」

この前がこの前だけに、柚季君の言い方に、棘がある。

「そうですね。俺はただのついでだと思いますけどね。」

英寿さんは、可笑しそうに笑っている。


「ところで、この女とはまだ付き合っている?」

「この女とは、誰ですか?」

私を巡って、英寿さんと柚季君が、バチバチ争っている。

「景子の事ですよ。」

「お陰様で、順調です。」

柚季君は、私をそっと抱き寄せた。
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