社長とは恋愛しません!
「あっ……」

そこには、都会の明りが、宝石のように夜空に浮かび上がっていた。

「綺麗。」

「でしょう?」

柚季君は、私の肩を抱き寄せた。

「景子さんに、この景色を見せたかったんだ。」

一つ一つの明りは小さくても、集まればこんなに綺麗に光るんだ。

「ねえ、景子さん。この明りだって、ずっと光ってる訳じゃないでしょ。」

「えっ?」

私は柚季君の顔を見た。

彼は優しく、私に微笑んでくれている。

「辛い事があって、暗い時があっても、また頑張って光んだ。景子さんもそうだよ。昔の事で暗くなっても、また光る時が来るって。」

私は、自然に微笑んでいた。

「そうだね。」


英寿さんとの事は、もう取り返せない。

でも、柚季君との事は、これからなんだ。

私が今、暗くなって落ち込んだとしても、柚季君がいれば、また私は光る事ができる。


「ありがとう、柚季君。」

「任せて。俺、景子さんの励まし係だから。」
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