社長とは恋愛しません!
そんな順調な時程、波乱は舞い込んで来る。

ある日、私が住んでいるマンションのインターホンが鳴った。

「誰だろう。」

インターホンの通話のボタンを押すと、そこに映ったのは、我が母だった。

「えっ?お母さん?」

慌てて玄関に行き、ドアを開ける。

「はあーい。」

「はあーい、じゃないわよ。いきなり訪ねて来て。」

よく見ると、スーツケースを持っている。

「どうしたの?その荷物。」

「あっ、いやね。しばらく泊めてもらおうかと思って。」

お母さんは、スーツケースを持つと、家の中に入った。

「泊まるって、お父さんはこの事、知っているの?」

すると、母はピタッと止まった。

「お父さんの事は、言わないでちょうだい。」


これは、夫婦喧嘩してきたな。

しかも、相当の。

だからって、娘のマンションを、非難場所にしないでほしい。

「いやぁー、一度来た時も思ったけれど、いいマンションね。」

お母さんは、ソファーに座ると、テレビのチャンネルを変えた。
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