社長とは恋愛しません!
もう既に、自分の部屋のようにくつろいでいる。

流石、お母さん。


その時に、柚季君からの電話が鳴った。

『景子さんがいないと、家にいても寂しいよ。』

私は、お母さんを見た。

こっちを見ている。

『どうしたの?景子さん。』

「それが、突然母が訪ねて来て、泊まりたいって言いだして。」

そう言った瞬間、電話をお母さんに取られた。

「ああ、もしかして景子の彼氏さんですか。どうも。景子の母です。」

突然、柚季君と話し出したお母さんに、電話を取り返そうと必死になる。

「ところで、何をなさっているの?おいくつの方?」

やっぱり、柚季君の素性を聞いている。

いや、母親なら仕方ないけれど、せめて私の口から説明したかった。

「えっ?景子の勤め先の社長。まあ。」

お母さんは、こっちを見てニヤニヤしている。

「それなら、素性はしっかりしているわね。えっ?25歳?景子より7歳も下?」

「わあー!」

私はお母さんからスマホを奪って、思わず電話を切ってしまった。

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