社長とは恋愛しません!
離れて分かる、親の有難み。

うんうん。


その瞬間、インターフォンが鳴った。

「誰かしら。」

動いたのはお母さんで、私はテーブルの上に、頬を付けてまどろんでいた。

「ねえ、景子。若い男性の方が来ているんだけど。」

お母さんが戻って来て、心配そうに言った。

「どうせ、営業なんじゃない?お母さん、適当に追い払って。」

「でも、景子さんいますかって、名ざしよ。」

頭の上に”?”マークを付けて、私はインターフォンに向かった。


「はい、どなた?」

『冷たい言い方だな。貴女の大切な人ですよ。』

その瞬間、私は頭が混乱した。

えっ?柚季君!?

もう一度、カメラを見ると確かに、柚季君だ。

何故に?何故に、ここに柚季君!?

って言うか、私思いっきり部屋着なんですけど!!

「ちょっと待って!ちょっと待って、柚季君!」

私はそう言うと、自分の部屋に飛び込んだ。
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