社長とは恋愛しません!
でも、今は柚季君と恋愛したい。

柚季君なら、社長じゃなくても、恋愛したいと思える。


「ねえ、柚季君。私が、柚季君の秘書じゃなくても、私と付き合っていた?」

「うーん……」

柚季君は、胸の前で腕を組んで、少し考えている。

「俺、元々景子さんを好きになったきっかけって、仕事をしている姿なんだよね。」

おお!そうだったのか。

「だから、秘書として会わなかったら、どうだったかな。」

ちょっと、思っていた答えと違うぞ。

きっと柚季君なら……

”どんな景子さんを見ても、俺、恋に落ちてたよ”って言うと思ってた。

「がっかりした?」

柚季君が、私の顔を覗く。

「でも、安心して。出会っちゃったからには、一生俺の秘書でいてよ。」

私も柚季君の顔を覗く。

「うん。そのつもり。」

そして柚季君は、いつもの笑顔に戻る。

ああ、この笑顔を見るだけに、私生きてるような気がするなぁ。
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