社長とは恋愛しません!
「そうだ。今日は、二人で夕食作らない?」

そう言って柚季君が、急にキッチンに向かった。

「食材ある?」

私もキッチンに向かって、一緒に冷蔵庫を眺める。

「うんうん。きゅうりにトマトか。お肉は?鶏肉ある?あるなら、棒棒鶏にしない?」

「いいね。」

早速両手を洗い、野菜を切って、お肉を茹でた。

「景子さん、料理の手際がいいね。」

「あはっ!実は棒棒鶏は、よく作るの。簡単だから。」

鶏肉に火が通ったか、確認していると、柚季君が後ろから抱きしめてくれた。

「いいね。料理している景子さんも。」

「そう?」

「見えるなぁ。景子さんと一緒に暮らす様子が。」

もう!どれだけ私の事、好きなのよ。

「さあ、ゆで上がった!ところで、棒棒鶏のソースある?」

「ん?」

聞くと、柚季君は冷蔵庫のドアを開けた。

「ないみたい。」

「買いに行かなきゃ。ごめん、最初に確認すればよかった。」

料理できるところ見せなきゃと思って、失敗。

ソースまでは、家にあるモノで、作れなかった。
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