社長とは恋愛しません!
「よし!じゃあ、買いに行こう!」

「おう!」

私と柚季君は、切った野菜と茹でた鶏肉を、一回冷蔵庫に入れて、家を出た。

「歩く?ねえ、歩く?」

柚季君が子供みたいに言ってくる。

「いいよ、歩こう。」

庭を出て道路に出ると、柚季君が手を繋いできた。

「ああ、いいなぁ。こういう時間。」

「うん、いいね。」

柚季君が、見る景色。

全部私も一緒に見たい。

柚季君が感じる事。

一緒に感じていたい。

この風も、この温もりも。全部柚季君と一緒だって、思いたい。


「幸せになろうね。」

私の口から、何気ない言葉が出た。

「うん。一緒に幸せになろう。」

私は、この二人の時間を守って行こうと思った。
< 180 / 295 >

この作品をシェア

pagetop