社長とは恋愛しません!

第7章 一目惚れした

幸せな時ほど、嫌な事が起きる。

それは案外、身近なところからもたらされるのかもしれない。


「社長、会議の準備をして来ます。」

「了解。」

私は会議資料を持って、社長室を出た。

えーっと、今回の会議は、出席者15人か。

そんな事を考えながら、同じフロアにある、会議室のドアを開けた時だ。

副社長の森脇さんが、社長の席に座っていた。

「お疲れ様です。」

「お疲れ様。」

どうして、社長の椅子に座っているかは、聞かない事にして。

私は、準備してきた会議資料を、一部ずつ席に置き始めた。


「それ、君が作ったの?」

「はい。」

「一人で?」

「他にいませんから。」

「ふーん。」

森脇副社長は、私が最後に置いた、社長の分を手に取った。

「愛する人を手に入れると、人って変わるんだね。」
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