社長とは恋愛しません!
廊下でため息をつきながら、社長室に戻った。

「遅かったね。」

柚季君が、笑顔で迎えてくれた。

あー、私。この笑顔があれば、バリバリ仕事ができる。

「すみません。副社長とお話していて。」

「明彦さんと?」

柚季君には、言わない方がいいかな。

副社長と何を話したのか。

「明彦さん、いい人でしょ。」

「えっ!」

柚季君と別れて、自分と結婚しろって言う人が?

「明彦さん、若い時から父を支えてくれていて。俺の面倒も見てくれていたんだ。兄貴みたいに思ってるんだよ。」

「そうなんですか。」

そんな人が、あんな事を言うなんて、余計に許せない!

今度会ったら、ちょっと懲らしめないと。

「副社長は、まだ独身なんですね。」

「そうなんだ。あんないい人なのに、勿体ないよね。」

私は微笑みながら思った。

ああいう奴は、一生独身でいろと。
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