社長とは恋愛しません!
「はい。」

返事をすると、柚季君は堰を切ったように、質問してきた。

「何があったの?明彦さんに、何を言われた?」

「柚季君?」

「この前といい、明彦さんに会うと景子さん、笑顔失くすでしょ。何か言われたとしか思えない。」

流石は社長をやるだけの人ね。

そんな想像もつくんだ。

「……私は、柚季君に相応しくないって、言われたの。」

「えっ?」

「本当に、柚季君と結婚できると、思ってるの?って。」

そう言うと柚季君は、私をぎゅっと抱きしめた。

「そんな事、気にするなよ。」

「うん。」

「俺には、景子さんしかいないんだから。」

「うん。」

この柚季君の甘い匂いが好き。

この香りを嗅いでいると、私は好きな人に包まれていると思う。


「それにしても、明彦さんがそんな事を言うなんて。」

いい人だって、言っていたもんね。柚季君。
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