社長とは恋愛しません!
わが身の不器用さを呪うわ。

「どうだ?たまには、秘書の集まりに参加するのもいいだろ。」

「何がですか。皆、社長狙いで話しかけてきて、迷惑してますよ。」

「ははは!」

副社長は笑うと、私をじっと見た。

「何ですか?」

「いや、案外面白いなと思って。」

すると副社長は、廊下に置いてある椅子を指差した。

あそこに座ろうと、言っているのだ。

動き出した副社長を無視する訳にもいかず、私は彼に付いて行き、二つ並び合った椅子に座った。


「こうして君と話すのは3度目だけど、まだ柚季君の事話してないよね。」

「はい。」

いや、あなたと話さなくてもいいよと思ったけれど、座ってしまった以上は、断れない。

「柚季君とはね、高校一年生の時に初めて会ったんだ。」

「そんな前から。」

羨ましい。高校生の柚季君、見て見たい。

「当時から人気があってね。毎日のように告白されていたらしいよ。」

だろうね。あの容姿じゃあ、高校生の時も美少年だ。

「学校はどう?って聞いたら、どうして女って言うのは、見た目で判断するんでしょうねって、女の子に告白されるのはあまり好きじゃないみたいだった。」

「へえ。」
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