社長とは恋愛しません!
取り敢えず、相づちを打つ。

「でも、柚季君が好きになった女の子が、一人いたんだ。写真は見せてもらったけど、なかなか可愛い子だったよ。」

「はあ。」

そんな話、聞かなくてもいいんだけどな。

「もちろん、柚季君の家に連れて行ったらしいけれど、両親に交際を反対されたそうだよ。」

「ああ、まだ男女交際は早いってですか?」

「いや、女の子の家柄が、ウチに合わないって。結婚前提で話をされたそうだ。」

「ええっ?」

高校生で、結婚前提?

柚季君の両親って、どんな人よ。

「それから、何人か付き合ったみたいだけど、皆家柄が合わないって、両親に交際を反対されているんだ。」

「全員ですか。」

って、待てよ。

全員反対されているって事は、全員家柄が一般庶民だったって事?

柚季君が好きになるのは、一般庶民の人?

だから、私の事も好きになった?うーん。

「そんな中で、ただ一人両親のお目が目に留ったのが、石坂花音だ。」

私は、肘がガクッとなった。

「それはやはり、家柄ですか。」

「そうだね。柚季君の周りの女の子で、お金持っているのは、石坂家ぐらいだ。」
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