社長とは恋愛しません!
「私は、邪魔なのでは。」

「いや、そんな事ないよ。」

そして食事が運ばれて来た。

とても高級なコース料理だ。


「花音。俺、社長になったばかりだから、結婚はまだできない。」

「そうなの?」

「俺、ちゃんと仕事に向き合いたいんだ。父親の跡を継いで、立派に社長の仕事をやり遂げたいんだ。」

花音ちゃんは、可愛く口を尖らせている。

「じゃあ、私はいつまで待てばいいの?」

「俺が一人前になるまでだな。」


びっくりしたのは、社長、意外にしっかりしてるんだって事。

でなければ、この会社の取締役の人だって、この人を社長にはしないけれど。


「柚季。仕事、好き?」

「ああ、やりがいを感じているよ。」

そして、仕事にも頑張っているところ。

ただのチャラい若者じゃないんだ。

私はふと、社長と花音ちゃんを見た。

この世界で、偶然に出会った二人。

幸せになって貰いたいと、思わずにはいられなかった。

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