社長とは恋愛しません!
「俺は、白鳥厚樹。君の名前は?」

「……依田景子です。」

「景子さん。じゃあ、また。」

「……また。」

腕を放され、私は柚季君の元へ行き、タクシーに乗った。

「誰?さっきの人。」

「ああ、道端で落とし物をして、拾ってあげてただけです。」

それにしても、スマートに誘う人だったな。

「今日は、新しいお店に行こうか。」

「やった!」

でも、そんな事どうでもいいか。

今は、柚季君とのデートを楽しむべきだ。


そして翌日。

仕事が終わって、オフィスビルを出たところで、足が止まった。

「やあ。」

「どうも。」

昨日、ここで荷物を拾ってあげた、白鳥さんがいたのだ。

「ここで待ってたら、今日も会えるかなって思って。」

「はあ……」
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