社長とは恋愛しません!
キョロキョロと周りを見てしまって、何だか田舎者みたい。

「昨日の彼は、こういう場所、連れて来てくれないの?」

「連れて来てくれますよ。たまにね。」

そう言えば柚季君と、こんな高そうなお店、来た事がない。

いつも、居酒屋とかこ洒落たイタリアンとかだ。

「そうか。特別な関係?」

「まあ。」

嘘ついても、仕方ない。

ちゃんと、彼氏がいるって事、言っておかなきゃ。

って、何でこの人私の事を好き前提で、考えてるんだろう。

昨日のお礼だって、言ってるのに。


「この席へどうぞ。」

お店の人に案内されたのは、壁側の席だった。

とてもお洒落な絵画が、飾ってある。

「どうぞ。」

お店の人に椅子を引かれ、頭をちょこんと下げた。

この人、いつもこんなお店に来てるのかな。

「いつもは、何を飲んでいるの?」

「ビールです。」

「じゃあ、生ビール二つ、お願いします。」
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