社長とは恋愛しません!
社長と花音ちゃん、一緒に食べたフレンチは、今まで食べた中で、一番美味しかった。

もちろん、お会計は社長持ち。

3人分だから、結構な値段だ。

「じゃあ、柚季。ありがとうね。」

「ああ。」

食事が終わった花音ちゃんは、手を振りながら帰って行く。

私は、手を振りたいのを我慢して、頭を下げた。


そして、社長と二人きり。

緊張する。

「社長、ご馳走様でした。美味しかったです。」

「ああ、それはよかった。」

あんな高いフレンチ、ご馳走になったんだもの。

お礼をしたいけれど、私に高級フレンチは無理。

「えっと、今度は私がご馳走させて頂きたいのですが……」

「えっ!?」

社長は、物凄く驚いている。

ごめんなさい。期待を裏切るけれど。

「……高級店には、連れていけません。一般的な居酒屋で宜しいですか。」

「ぶはっ!」
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