社長とは恋愛しません!
「そう言えば、この前の男。コンタクト取ってきたりとか、してない?」

「えっ!」

ドキッとした。

「何で?」

「なんか、景子さんに興味ありそうだったから。」

「そう。」

実は、一度お食事に行って、告白された上に、引き抜きの話も出ていますなんて、柚季君には言えない。

「景子さんの方は、全然興味なさそうだね。」

「だって、柚季君がいるから。」

柚季君は、私の身体をぎゅっと抱きしめてくれた。

「よくできました。」

柚季君の方が年下なのに、褒められるとほっとする。


そして、私達は湯船に浸かり、お互いを見つめ合った。

私が微笑むと、柚季君も微笑んでくれる。

嬉しいな、こういう時間。


「景子さんはさぁ。これからの仕事、どうしたい?」

「えっ?」

柚季君が急に、真剣な表情になった。
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