社長とは恋愛しません!
「どうして?」

「なんか、嫌だもん。女の園って、私には合わないんだよね。」

今だって、他の会社の秘書の子達が、柚季君を狙っていると思うと、胸が不安になるのに。

秘書課にいて、柚季君がその会社の社長だったら?

もう、不安で不安で、仕事なんかしていられないよ。


「じゃあ、今の会社には、秘書課は置かない。」

「えっ?置く予定とか、あったの?」

私は柚季君の方を向く。

会社の経営に口出す秘書なんて、最悪だ。

「いや、明彦さんとか自分のスケジュール調整するの、忙しそうだからね。副社長に秘書が付いていないのも可笑しいし。」

「そうだね。秘書課、置いてもいいよ。」

「だったら、秘書課のチーフは、景子さんだね。」

柚季君は私を後ろから抱きしめて、背中にキスをした。

「なんか、今日の柚季君。私を甘やかしているね。」

「だって、愛おしいからさ。」

嬉しい。好きな人にそんな事を言われるなんて、幸せ以外の何物でもない。

「そろそろ、上がりますか。」

「うん。」

湯船から上がり、浴室を出ると、今度は柚季君。

私の身体を拭き始めた。
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