社長とは恋愛しません!
なぜか社長、ウケている。

どうして?

「あのさ。君って、素直に人の好意を受け取れないタチ?」

「えっ……」

「こういう時はさ。ありがとう、美味しかったです、でいいんだよ。」

「はい。」

私は社長から目を反らした。


考えてみれば、今まで奢ってもらったら、奢り返さないといけないと思っていた。

相手の喜ぶ姿を見るだけで十分という社長は、心が広い。


「ありがとうございます。では、タクシーを呼びますね。」

私は道路の側に寄って、手を挙げた。

タクシーは、直ぐに捕まった。

「社長、乗って下さい。」

「ああ。」

社長をタクシーに乗せると、私はタクシーのドアを閉めようとした。

「待って。」

「はい?」

社長は、こっちを覗き込んだ。
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