社長とは恋愛しません!
改めて、この人を好きになったのは、間違いじゃないって言える。

「柚季君は、私の事買い被り過ぎだよ。」

涙が出て来た。

何でこの人は、どこまでも私の事を、好きでいてくれるのだろう。

「そんなんじゃない。チャンスがあれば、自分のスキルを磨くべきだ。」

「じゃあ、この会社にそのチャンスは無いの?」

私は涙を拭いて、柚季君に迫ってみた。


チャンスは、誰かに与えられるものじゃない。

自分で掴むモノだ。


「それに、大きな会社に行ったって、自分が埋もれるだけだよ。」

「そんな事ないよ!」

柚季君は、真剣に向き合って、私を叱ってくれる。

「だったら、私の気持ちはどうなるの?」

「景子さん……」

「この会社で、ずっと働いていきたいって言う、私の気持ちはどうなるの?」

溢れる涙を、拭う事ができなかった。

それを柚季君は、いとも簡単に拭ってくれる。

「それを聞きたかったんだ。」

「えっ?」
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