社長とは恋愛しません!
副社長の言う通り、白鳥さんは簡単に諦めてはくれなかった。

仕事が終わって、ビルの外に出ると、また白鳥さんが待ち伏せしていた。

「景子さん、こんばんは。」

「こんばんは。」

一応、メールでも断ったけれど、ちゃんと口頭でも断っておこう。

「白鳥さん。御社へのお誘いですが、正式にお断りさせてください。」

そして、頭を下げた。

「頑固なところがあるんだな。」

「じゃないと、一つの会社で長く働けませんから。」

そう言って、背中を向けた時だ。


「もう一つの方は?」

白鳥さんは、肩越しに顔を寄せ付けてきた。

「何ですか?」

「俺と付き合ってという話。」

「それも、お断りしましたけど。」

私が白鳥さんを睨んだ時だ。


「ちょっと。俺の彼女を口説かないで下さい。」

私と白鳥さんの間に、柚季君が入って来た。

「おっ!ナイトのお出ましか。」

白鳥さんは、少し楽しそうにしている。
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