社長とは恋愛しません！

なのに、その絆はいとも簡単に無くなってしまった。

一週間後。

柚季君は、私にこう言った。


「依田景子さん。未来社に行って欲しいんだ。」

「えっ？」


耳を疑った。

嘘だと思った。


「あの、その話の件でしたら、私はお断りしたはずで。」

「これは、社長命令だ。」

柚季君は、真っすぐ私を見ている。

本気なんだ。

本気で私を、未来社に行かせたいんだ。


「ここ一週間で、未来社の事を調べた。業績も悪くない。秘書が数名いて、景子さんにはその秘書を取りまとめる役職が、約束されている。」

「秘書の取りまとめ役……」

柚季君は立ち上がると、私の前に立った。

「未来社からは、来週から来て欲しいって、言われている。これは、未来社の労働明記書だ。」

私は、それを受け取った。