社長とは恋愛しません!
柚季君は、デスクの前から、動かない。

きっと、今回も私は断るだろうと思っていなかったのに。

私が、未来社に行く事を、受け入れたからだろう。

私も、自分のデスクの前で、立ち止まった。

この事態を受け入れるには、もう少し話をしたい。


「社長。最初から、秘書の仕事は必要だったのですか。」

「必要だから雇った。俺自身も、仕事を手伝ってくれる人が、必要だったからね。」

「今は、秘書がいなくても、仕事はできると、思ったのですか。」

「ある程度はね。仕事にも慣れてきたし。」


涙が、出そうになった。

私、この会社に必要と、されていなかったんだ。


「もう一つだけ、質問させてください。」

「何?」

今までの私は、この会社の何だったんだろう。

「私は、この会社に、必要だったのでしょうか。」


柚季君に初めて会った時、若い社長だから、私が頑張って支えなきゃと思った。

仕事を初めて、もっと柚季君の力になりたいと思った。

< 238 / 295 >

この作品をシェア

pagetop