社長とは恋愛しません!
涙が、頬から流れた。

その時、柚季君が後ろから、抱きしめてくれた。

「新しい秘書を雇わないのは、景子さん以外に、俺の秘書はできないからだよ。」

抱きしめる力が、強い。

「景子さんの以外の秘書なんて、考えられないんだ。」


ズルい。

自分は、私の私情を撥ね退けたクセに!


「だったら、私も社長以外の人を、社長と呼びたくありません!」

すると柚季君は、私をクルッと後ろに向かせた。

「これは、景子さんの為なんだ。分かって。」

ズルい。本当にズルい。

「景子。俺達、職場が別でも、心は側にいるよ。」

涙が止まらない。

ここで未来社になんか行きたくないって言ったら、ただの我が侭だし。

受け入れるしかないし。


「それで、ここからは、俺達の話をしたいんだけど。」

柚季君が、私の涙をゴシゴシ拭ってくれる。

「職場が違うと言う事は、会う時間も今までより、少なくなるって事だよね。」
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