社長とは恋愛しません!
そんな事を考えていた。

「今日の食事、楽しかった?」

「はい。」

「それはよかった。花音はお喋りだからね。いろいろと話すから、どうかと思ったんだけど。」

「いえ。それはそれで楽しかったです。」

撮影秘話など話してくれて、花音ちゃんの話は、興味深いものとなった。

あれだったら、社長も夢中になるのが分かる。


「それにしても、石坂さんともっと一緒にいなくて、よかったんですか?」

「どうして?」

「だって、お二人は結婚の約束をされているんですよね。」

「あはっ!」

社長は、笑っている。

「花音はね。俺にとって、幼馴染みみたいなものだよ。」

「幼馴染み……」

「結婚の約束も、子供の時の話。今日、その話が出て、びっくりした。」

どうやら社長の中で、花音ちゃんは婚約者だとは思われていないらしい。

「でも花音に、そんな子供染みた話って言ったら、傷つくだろ。彼女、傷つくと仕事に支障出るんだ。」

「そうなんですね。」

花音ちゃんの事も考えてあげられる。

社長は、すごいと思った。
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