社長とは恋愛しません!
「一緒に住んだら、嫌なところも見えて、結婚どころじゃなくなるんじゃない?」

「はあ。」

「なんか、他人事だね。」


白鳥社長には、ああ言われたけれど、実はまだ実感が湧かない。

「ただいま。」

電気をつけたけれど、家には誰もいない。

勿論、社長である柚季君が、早くに帰ってくるなんて思ってない。

「夕食作るか。」

冷蔵庫を開けると、結構食材が入っている。

週末に、柚季君と一緒に買い物に行って、まとめて買ってきたのだ。


家に帰っても、誰もおかえりと言ってくれなくて、一人。

夕食を作っていても、一人。

何だか、一人暮らしの時と同じような気がする。

「あっ、でも食べてくれる人はいるか。」

そう思うと、心がウキウキしてきた。

「柚季君は、肉料理が好きなんだよね。」

ふんふん言いながら、柚季君を浮かべ、料理をする。

うん。なんだか楽しくなってきた。

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