社長とは恋愛しません!
私は立ち上がって、柚季君のデスクの上にある、売上報告書を手に取った。

「何、これ……」

売上も半減、報告書の書き方も滅茶苦茶、分析もいい加減。

「そもそも、他部署に任せる事じゃなかったんだよな。」

柚季君の声にも、張りが無い。

「俺の我が侭で、景子以外の秘書を置きたくないなんて。俺が悪いんだ。」

私は柚季君の肩を掴んで、激しく揺らした。

「しっかりして!柚季君がそうなで、下の人はどうするの!?」


一緒だ。英寿の時と。

『俺が全て悪いんだ。』

『社長がそんなので、どうするんですか!しっかりして下さい!』


私は身体が震えてきた。

「景子?どうした?景子?」

私は両手を口元に当てて、柚季君から一歩下がった。

「また、私のせいで会社が潰れる……」

「えっ?いや、景子のせいじゃなよ。俺が……」

「一緒なの!英寿の時と!」

上手く呼吸ができない。

どうすれば、この事態を打開できるの!?
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