社長とは恋愛しません!
その時だった。

急に、社長室のドアが開いた。

「あれ、景子ちゃん。いたの?」

冷たく上から見下ろす、副社長がそこにはいた。

「副社長!」

私はすかさず、売上報告書を副社長に見せた。

「これは一体、どういう事ですか!?」

副社長は差し出した書類を、受け取ろうともしない。

「副社長?」

「あーあ、これだから、ひ弱な社長はダメなんだよな。」

人が変わったかのような低い声。


「大体、秘書がいなくなっただけで、売上下がるなんて、実力ないんじゃない?柚季君。」

柚季君は、無表情だ。

でも、きっと悔しいに違いない。

「そこをサポートするのが、副社長でしょう!」

私は、副社長に迫った。

「柚季君がまだ若くて、経験がない事を知っているんだから、あなたが支えなきゃ!」

すると副社長は、ニヤッとした。

「普通の副社長だったら、そうしているはずだろうね。」
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