社長とは恋愛しません!
しばらくして、車は郊外へ。

山の中を走って行く。

すると見えて来た。

丘の上のレストランが。


「かわいい!」

小さなレストランは、まるで絵本に出てくるような、赤い屋根の小さな建物だった。

「予約したお客様しか、受け入れないんだ。」

するとある疑問が浮かんで来た。

いつ、このレストランを予約したのだろう。

「さあ、行こう。」

車を降りて、私達は小さなレストランの中に入った。


「いらっしゃいませ。」

迎えてくれたのは、シワ声のおばあちゃんだった。

「ご無沙汰しております。」

「まあ!真田のお坊ちゃま。大きくなって。」

柚季君はそのおばあちゃんと、握手している。

どうやら、知り合いらしい。

「おばあちゃん、こちら依田景子さん。俺の彼女。」

「初めまして。遠いところをわざわざ。」

私も宜しくお願いしますと、握手をした。

その手は、とても温かった。
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