社長とは恋愛しません!
そして私達は、中央のテーブルに座った。

「いつものコースを。」

「はい、畏まりました。」

おばあちゃんがキッチンの奥に行くと、キッチンにはおじいちゃんがいた。

「ご夫婦でやられているの?」

「そうだよ。俺が子供だった時、既におばあちゃんだったからね。長くやっていると思うよ。」

「へえ。」

また新しい柚季君を発見したみたいで、凄く嬉しかった。

そして驚く事に、料理は意外と早く出て来た。

「ええ?こんなに早く出てくるの?」

「予約しているしね。相手も俺だって分かっているから、先に準備してたんじゃないかな。」

前菜もスープも美味しかった。

隠れ家的な場所だったのかな。

「こんな素敵なお店、隠していたなんて。」

「ここは俺にとって特別な場所だからね。」

そしてメインのお肉も、豪華だ。

「本当に美味しい。」

切り分けて口の中に運ぶと、舌の上でとろりと溶けた。

最高のお肉料理だ。
< 266 / 295 >

この作品をシェア

pagetop