社長とは恋愛しません!

第10章 結婚できるの?

ある日の事だった。

玄関のインターホンが、けたたましく鳴った。

「はいはい、誰?」

柚季君が大急ぎで、玄関のドアを開けた。

「柚季!」

私の目の前で、年上の女性が柚季君に抱き着く。

「おいおい、彼女が見てるだろ。」

「いいじゃない。見せつけてやればいいのよ。」

その女性は、私を見るとニヤッと笑った。


何?この光景。

一緒に住んで、プロポーズされてるのに、本当は他に女がいましたってパターン?

しかも柚季君には似つかわしくない、アラフォー女性。

今度も花音ちゃんと同じように、”私と結婚するのよ”とか、言わないわよね。


「あのー。どちら様でしょうか。」

「人に聞く前に、あなたがどちら様?」

その女性と私の間に、火花が散っている。

「私は柚季君と一緒に暮らしている、こ、婚約者です。」

「あら、私も柚季と一緒に暮らした事あるわよ。」

「はあ?」
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