社長とは恋愛しません!
このお母さん、恐ろしい。

婚約者の目の前で普通、そんな事言う?

「花音ちゃんの方が、美人だし可愛いし若いし。お母さん、花音ちゃんの方がよかったわ。」

あーそー。そういう事?

私の事が気に食わないって事?

悪かったわね。美人でもなく、可愛くもなく、若くもなくて。

「母さん。景子は、俺が選んだ女性だよ。そんな事言うなよ。」

柚季君、庇ってくれている。

さすが、私の選んだ男。

「でもねぇ。」

お母さんは、私をちらっと見て、ため息をついた。

「知らずに付き合って、知らずに一緒に住んで?知らずに婚約者になっていたなんて。どうしてもっと早く、お母さんに紹介してくれなかったの?」

「ごめん。仕事が忙しくて。」

要するに、自分の知らない女に、息子を取られるのが嫌だったのね。

だとしたら、答えは一つ。

「お母さん。私達これから、たくさん会って仲良くしましょう。」

私は、笑顔でお母さんに、話しかけた。

「まあ、そうね。それしかないわね。」

だから何で、ため息をつくのさ!
< 275 / 295 >

この作品をシェア

pagetop