社長とは恋愛しません!
「いけません!そんな事!一緒に住んで、同じ会社で働くなんて、一日中一緒って事じゃない。」

「まあ、そうなんだけどさ。」

やばい。柚季君の顔がにやけている。

私もそれを見て、顔がにやけている。

そうだよね。柚季君の秘書に戻るのなら、一日中一緒だ。


「駄目よ。景子さんは、今まで通り未来社にいるか、他の部署で仕事をして。」

「何言ってんだよ。景子は俺の秘書にする。母さんは、口出ししないでくれ。」

「あら、母さんは会社の株主よ。人事に口出してもいいじゃない。」

「秘書にも口出すなんて、厄介な株主だな。」

あんなに仲が良かった柚季君とお母さんが、睨み合っている。

「あの、喧嘩はそこまでにして……」

「あなたは、黙っていて!」

お母さんに、大きな声を出された。

やっぱり、怖い。


「柚季。秘書なら、他にたくさんいるでしょ。一人にこだわらなくたっていいじゃない。」

「いや、今回の事でよく分かった。俺の秘書は、景子一人だけだって。」

だから、睨み合うのは止めて!

私が間に入ろうとしても、お母さんの圧倒的なパワーで、隙がない。

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