社長とは恋愛しません!
「お母さんは、どうしてそんなに、反対されるんですか?」

お母さんは、そっと目を閉じた。

「あれは、私が柚季を妊娠していた頃よ。」

私と柚季君は、ゴクンと息を飲んだ。

「お父さん、秘書の人と浮気していたの。」

どひゃあー!

ん?でも待てよ。

私と柚季君は、婚約者なんだから、事情が違うのでは?

「それだけだったら、まだ目を瞑ったわ。でもね、あの人達……」

お母さんは、右手を強く握りしめた。

「私が社長室に行った時、していたのよ。」

「何を?」

「分かるでしょ!大人なんだから!」

まさか!

お母さん、お父さんと秘書の浮気現場を、目撃したの!

「社長室は、神聖な場所よ。そこで肉欲に負けるなんて!」

額に、汗が滲みでる。

やばい。私達も社長室で、やってるよ。

「まさか、あなた達。社長室で破廉恥な行為は、していないわよね。」
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