社長とは恋愛しません!
「柚季君って、兄妹いるの?」

「いるよ。妹と弟が一人ずつ。」

うーん。一人っ子でもない。

残る一つの理由は……

「お母さんって、柚季君が小さい頃から、溺愛してなかった?」

「溺愛ねぇ。まあ、他の子供よりもかわいがってくれたとは思うけれど。」

そこかもしれない。

あまりにも柚季君が、カッコ良すぎて(又は可愛すぎて)離れられないというもの。

はぁー。厄介な美魔女お母さんだ。


そして困った事は、この一週間後に起きた。

朝一の会議が終わった後、社長室のドアを叩く人がいた。

「はい。」

私がドアを開けると、そこには美魔女お母さんが!!

「おはよう。景子さん。」

「おはよう……ございます。」

ビシッとベージュのスーツで決めたお母さんは、ソファーに座った。

「どうしたの?母さん。」

柚季君は驚いて、私の側に来る。

「どうしたもこうしたもないわ。景子さん。あなたまだ、秘書としてここにいるみたいね。」
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