社長とは恋愛しません!
「えっ?」

「別の部署に移しなさいって、散々柚季に言っても駄目だし。景子さんに伝えなさいって言っても、柚季が伝えてないでしょう。」

私は柚季君の方を見た。

柚季君は、”そこまで本気だったのか”と言う顔。

美魔女お母さんは、不機嫌そうに足を組んだ。

「だから、私が直接言いに来たの。」

私は気が遠くなった。

これは、どう返したらいいの?

前社長の奥さんだよ?

会社の株主だよ?

影響力、半端なくない?

ここは潔く、異動した方がいいんじゃない?


「社長。私は、他の部署に異動しても……」

「駄目だ。俺が許さない。」

「そうですよね。」

柚季君、今日半端なく反抗的?

「何が何でも、依田さんを自分の手元に、置きたいの?」

お母さんも、やや反抗的。

さすがは親子。

見つめ合っているのか、睨み合っているのか分からない状況で、私はひたすら嵐が過ぎる事を祈っている。
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