社長とは恋愛しません!
「うん。」

すると柚季君は、私を後ろから抱きしめた。

「景子。」

耳元で柚季君の声がする。

ああ、私やっぱり柚季君のこの声、好き。


「このままここで抱いたら、母さんの思惑通りになるからな。」

「そうだね。」


ー ほらやっぱり、社長室をそんな事に使って! ー


そんな声が聞こえてきそうだ。


「なんか今日の柚季君、すごく男らしく見えた。」

「そう?これでも景子を守る男だからね。」

逞しくなった柚季君。

副社長に買って、少し自信がついたみたい。


「これからも、仕事一緒に頑張って行こうね。」

「ああ。」

私の胸に、幸せが広がった。

「ところで、いつまで抱き着いているの?」

「うん?いつまでかな。」

「これじゃあ、仕事できないよ。」

私達は、はははと大きな声で、笑い合った。

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