社長とは恋愛しません!
そして、その日の仕事が終わって、私達は一緒に家に帰って来た。

「そうだ、景子。結婚式の日取り、決まったよ。」

「本当?よかった。いつ?」

「1カ月後。」

私は、ソファーに座って、茫然としてしまった。


「1か月後って……1か月後⁉」

私は急にソファーから立ち上がった。

「やだ。ウェディングドレスも決まってないし、招待状もまだだし。両親への挨拶もまだじゃない。」

その時、柚季君が片手でキスをした。

「柚季君……」

「招待状もいらない。ウェディングドレスなんて、その日に決めればいいさ。」

「えっ?」

そして柚季君は、一枚のパンフレットを、私に渡してくれた。

それを見ると、【二人だけの結婚式】と書いてある。

「二人だけで、結婚式するの?」

「うん。場所も近くだし。煩わしい事も、何にもない。」

ちょっと、力が抜けた。

結婚式には、お父さんもお母さんも、出席して欲しかったから。

「ほら、社長の結婚式って言うと、いろんな人が来て、いろんな人が挨拶するだろ?そういうの、俺いいんだ。」

確かに、真田コーポレーションの御曹司の柚季君の結婚式となったら、豪華な物になるかもしれない。
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