社長とは恋愛しません!
柚季君が顔を上げると、お父さんも少し驚いた表情を見せた。

「若いとは聞いていたが、こんなに若いとはな。」

私は目を閉じた。

いやいや、恋愛に年の差なんて、関係ないよ。

「それで?話とは?」

お父さん、結婚の話だって、知ってるくせに。

「はい。お嬢さんと結婚させて頂きたく、お伺い致しました。」

「結婚ねえ。」

お父さんは、渋い顔をになった。

「柚季君と言ったよな。確か真田コーポレーションの社長をしていると聞いた。」

「はい、その通りです。」

「景子は、君をきちんと、支えているかね。」

「はい。感謝するくらい、支えてくれています。」

するとお父さんは、はぁーっとため息をついた。

「一緒にも暮らしていると、聞いたが。」

「はい、申し訳ありません。お許しを得ずに、勝手にしてしまって。」

うーんと、考えているお父さん。

何を考えているんだろう。

「景子も32だからなぁ。結婚させなきゃいけないのは分かっているんだが。どうも、君がまだ若いのが、気になってね。」

「お父さん、それは……」
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