社長とは恋愛しません!
「お写真を撮るだけでは、寂しそうだったので、花嫁さんと一緒にバージンロード、歩いてみますか?とお声がけしたんです。」

「ありがとうございます。」

自然に、お礼を入れた。

胸のつっかえが、一つ解消された。


「じゃあ、腕組むか。」

「うん。」

記憶の中で、お父さんと腕を組んだ事はない。

これが、人生で初めてで、最後なのかな。

そう思うと、感無量だ。


そして音楽が鳴り始め、私とお父さんは歩き始めた。

入り口が開いて、正面に柚季君が立っている。

お父さんの姿を見て、ちょっと驚いているみたい。

「ふふふ。」

「どうした?」

「ん?柚季君、お父さんがいるから、びっくりしてる。」

こんな話も、もうお父さんとはできないのかな。


そして、柚季君の側までやってきた。

「頼むよ、柚季君。」

「はい、お父さん。」
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